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2015年3月10日 (火)

自分の口にしている言葉を整えることは、周りの人の緊張を解きほぐすことにもなる。

 早朝に走ってから、公園で20分ほどヨーガアーサナをします。
 体をひねるアーサナと逆立をやります。
 はじめた頃は逆立をしていると周囲の声が気になりました。
 「あの人すごいね」「見て見て、全然動かないよ」という声があちこちから聴こえてきます。
 それがちょっとした快感だったのです。
 男は「スゴイ」という言葉に、本当に弱い。
 「スゴイ」に意識が向きます。
 日課になってくると、言われ慣れてか、以前ほど気にならなくなりました。
 一番気になるのは、犬が近寄ってくる音です。
 やたらと犬が私に近づいてくるのです。
 「そっち行ったらお兄さんの邪魔になるからダメ」という飼い主さんの声が、いつも聴こえてきます。
 逆立している最中は、目をつぶり、音に集中しています。
 風で木の葉がゆれる音、ゲートボールの音、子供たちの声、カメラのシャッターを切る音。
 世界は音に溢れていることを実感します。
 私たちは普段から、聴覚でかなりの情報をキャッチしているのです。
 特に目をつぶった状態では、音で自分の周囲を観察しています。
 子供の声が近づいてきた時は、いたずらされて倒れないように、意識を子供の足音に集中します。
 聴こえてくる音によってリラックスもしますし、緊張もします。
 想像以上に、音で体の状態は変化しているのです。


 愚痴不平不満を周囲に撒き散らす人もいますが、それも音です。
 私は愚痴不平不満を、“ただの音”として解釈するようにしています。
 これは集中力を高める練習になります。
 内容を聞こうとするのではなく、周囲の音と同じように、ただの音としてキャッチする練習をするのです。
 音楽でも練習できます。
 頭の中で歌うのではなく、あくまで音としてキャッチする練習です。
 ただの音としてキャッチできるようになると、イヤな話を聞くことで生まれる緊張を回避できます。
 「スゴイね」が気にならなくなるように、スルーできてくるのです。
 本を読んだり、ノートする時に、カフェのガヤガヤ感が逆に集中できる感じに似ています。
 愚痴不平不満を言っている本人は、その声を常に自分で聞いています。
 自分が一番キャッチしているのです。

 言っている本人が、その音に一番やられています。
 「自分の発している言葉通りの人間になる」と、よく本に書いてあります。
 そのことは言葉としては理解できるのですが、体感覚としてあまりピンときませんでした。
 音を意識した生活をしていると、やっぱり自分の発する言葉(音)は大切だなと感じるようになりました。

 倍音声明のセミナーに参加したことがあります。
 大勢で低音の声を出して瞑想します。
 不思議なことに、あるはずのない高音が聴こえてきたり、自分が音の中にフワフワと漂っているかのような感覚になります。
 その時のリラックス感は日常では感じられない不思議な感覚でした。
 公園で逆立瞑想していると、それに似たような感覚が、たまにあります。
 今朝はそのフワフワ感を久し振りに感じました。
 後から振り返ると、集中できていたことに気づきます。
 集中できたときだけ、その感覚が得られるようです。
 心地よい音に囲まれると、体は断然リラックスできるようになります。
 日頃、自分の周囲にはどんな音が溢れているのか、意識してみると良いと思います。

 【自分の言葉から、変えてみよう。】


 P.S.
 水風呂の最中も水に沈みながら、水を溜める音に集中します。
 音に集中すると水の冷たさにも体が馴染むのが早く感じます。

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